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発生生物学:雄の生殖細胞特異的リボソームが雄の生殖能力を制御する

Nature 612, 7941 doi: 10.1038/s41586-022-05508-0

リボソームは非常に高機能の翻訳装置で、タンパク質合成の調節における働きが一様でないことが明らかになっている。雄の生殖細胞の発生においては、精子形成の際に複雑な翻訳調節が行われる。しかし、精子形成の際の翻訳が特異的なリボソームによって行われるのかどうかは、まだ解明されていない。今回我々は、特殊な新生ポリペプチド出口トンネルを持つリボソームRibosomeSTについて報告する。このリボソームは、コアリボソーム(RibosomeCore)タンパク質RPL39のパラログである雄の生殖細胞特異的タンパク質RPL39Lと結合している。マウスでRibosomeSTを欠失させると、精子の形成不全を引き起こし、その結果、生殖能力が大幅に低下する。マウスの腎臓と精巣由来のリボソーム単一粒子のクライオ電子顕微鏡構造を比較したところ、RibosomeSTは、RibosomeCoreとはサイズも電荷の状態も異なるポリペプチド出口トンネルを持つことが明らかになった。RibosomeSTは主として、精子の形成に不可欠な雄の生殖細胞特異的タンパク質のサブセットの折りたたみを、翻訳時に調節する。さらに、RibosomeSTの特異的な機能は、RibosomeCoreでは代替できないことが分かった。以上より、この精子特異的リボソームが特定されたことによって、哺乳類のリボソームの機能とタンパク質発現パターンの組織特異的な調節について、大幅に理解が深まるだろう。

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