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医学研究:卵巣がんの変異プロセスは部位特異的な免疫回避を促進する

Nature 612, 7941 doi: 10.1038/s41586-022-05496-1

高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)は、異なる変異プロセス、腫瘍の不均一性、腹腔内転移によってパターン化される、典型的なゲノム不安定性がんである。HGSOCでは免疫療法の有効性が限定的であり、変異プロセスと腫瘍巣の解剖学的部位が腫瘍微小環境の免疫学的状態を決める仕組みの解明が必要なのは明確だが、そのための方法はまだ見つかっていない。今回我々は、治療歴のないHGSOC患者42人から得た160の腫瘍部位について、全ゲノム塩基配列解読、単一細胞RNA塩基配列解読、デジタル組織病理学、多重免疫蛍光法による統合的解析を行った。HRD(homologous recombination-deficint)-Dup(BRCA1-associated tandem duplication)のBRCA1変異株様腫瘍とHRD-Del(BRCA1-associated interstitial deletions)のBRCA2変異様腫瘍では、炎症性シグナル伝達と進行中の免疫編集が見られ、これらはHLA多様性の喪失と、高度に分化した機能不全CD8+ T細胞の腫瘍浸潤に反映されている。対照的に、折り返し型逆位(foldback inversion)を持つ腫瘍では、免疫抑制性のTGFβシグナル伝達と免疫排除の上昇が見られ、ナイーブ/幹細胞様の記憶T細胞が大半を占めていた。表現型状態との関連は解剖学的部位に特異的であり、付属器腫瘍と遠位腹膜腫瘍巣の間の組成的、トポロジー的、機能的な違いを明確に示している。我々の知見は、解剖学的部位と変異プロセスが、HGSOCの進化的表現型の相違と免疫抵抗性機構の決定要因であることを示している。今回の研究は、マルチオミクス細胞表現型データを提供するものであり、これを基盤として将来の個別化免疫治療法と早期発見研究の開発と解釈が進むだろう。

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