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構造生物学:ヒトSLC19A1による環状ジヌクレオチドと葉酸の認識

Nature 612, 7938 doi: 10.1038/s41586-022-05452-z

サイクリックジヌクレオチド(CDN)は、生命の全てのドメインに広く存在するシグナル伝達分子である。哺乳類の細胞は、細胞質中にDNAシグナルを検出すると、サイクリックGMP–AMPシンターゼを介してCDNの1つである2′3′-cGAMPを産生する。2′3′-cGAMPは、細菌のCDNや人工CDN類似体と同じく、セカンドメッセンジャーとして作用することができ、STING(stimulator of interferon genes)を活性化して下流で広範な応答を引き起こす。細胞外CDNがSTINGを活性化するには、細胞膜を横断しなくてはならない。この過程は、溶質輸送体SLC19A1に依存している。また、SLC19A1は栄養素である葉酸と葉酸拮抗薬の主要な輸送体であり、従ってSLC19A1は複数の生理学的および病理学的過程で働く重要な因子となっている。SLC19A1がCDNや葉酸、葉酸拮抗薬を認識して輸送する仕組みははっきりしていない。今回我々は、ヒトSLC19A1(hSLC19A1)について、基質を結合していない状態と、起源の異なる複数のCDN(広く存在する天然の葉酸や新世代の葉酸拮抗薬)と複合体を形成した状態のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。構造学的研究と変異誘発研究の結果から、hSLC19A1がCDNや葉酸のような基質を認識するために、独特だが分岐的な機構を用いていることが明らかになった。2個のCDN分子はhSLC19A1内の空洞に2個の分子からなるコンパクトなユニットとして結合する一方で、葉酸や葉酸拮抗薬は単量体として結合して空洞内のまた別のポケットを占拠している。さらに、こうした構造から、活性を失ったり、疾病に関連する変異が生じたりしたhSLC19A1の正確なマッピングや機構についての説明が可能になる。我々の研究は、SLC19ファミリーの輸送体の輸送機構を理解するための枠組みを示しており、これは治療薬候補開発のための基盤となる。

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