古生物学:クラウン群鳥類祖先が新顎類的であったことを裏付ける白亜紀のオルニトゥラエ類
Nature 612, 7938 doi: 10.1038/s41586-022-05445-y
骨口蓋は、現生鳥類の最も古く分岐した2つのクレードである新顎類と古顎類を判別する特徴である。新顎類は口蓋骨が癒合しておらず、頭蓋が概して動的であるのに対し、古顎類は頭蓋が比較的固定されていて、翼状骨と口蓋骨が癒合して単一の要素をなしており、この状態は長年、クラウン群鳥類[新鳥類(Neornithes)]の祖先的なものと考えられてきた。しかし、新鳥類の起源に近いタクソンの口蓋の化石証拠は乏しく、新鳥類の口蓋の祖先的状態に関する強力な推論が妨げられてきた。今回我々は、現生の新顎類クレードであるキジカモ類(キジ類およびカモ類)のものに極めてよく似た翼状骨を有する、後期白亜紀の有歯オルニトゥラエ類(Ornithurae)の新たなタクソンについて報告する。新属新種のJanavis finalidensは、全体的な形態が、中生代のよく知られたオルニトゥラエ類であるイクチオルニス(Ichthyornis)におおむね類似しているが、Janavisの方がはるかに大型で、頭蓋後方の骨の含気性が著しく高い。Janavisは、イクチオルニス以外では既知で最初の十分に描写されたイクチオルニス類(Ichthyornithes)に位置付けられ、このクレードが白亜紀の末まで存続したことが明確に実証された。Janavisは、中生代の非クラウン群オルニトゥラエ類の少なくとも一部には、解剖学的に新顎類的な口蓋が存在したことを裏付けており、これは、現生のキジカモ類のものに似た翼状骨がクラウン群鳥類の原始形質である可能性を示唆している。今回の結果は、イクチオルニス類の口蓋に関する最近の証拠と合わせて、クラウン群鳥類の祖先的な口蓋についての長年の想定を覆すものであり、「偽歯鳥類」(ペラゴルニス類)などの新生代初期のいくつかの奇妙な鳥類で主張されているキジカモ類との類縁性の再評価を促すことになるだろう。

