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気候科学:退氷時における熱帯の海水温の季節変動の増大

Nature 612, 7938 doi: 10.1038/s41586-022-05350-4

比較的安定した完新世の気候に先行して、北半球が急激に温暖化してヤンガードライアス(YD)寒冷期が終了するという顕著な事象が起こっていた。この遷移は集中的に研究されてきたが、低緯度域の海水温におけるその痕跡はいまだに議論の的となっており、1年未満から10年スケールの気候変動に対するその影響はまだよく分かっていない。熱帯大西洋におけるこうした時間スケールの海面水温(SST)変動は、現在と将来の地球温暖化の下で強まると予想されており、アフリカや南米の環境条件と熱帯太平洋の気候に大きな影響を及ぼす。今回我々は、カリアコ海盆の堆積物中の長鎖アルケノンの質量分析イメージング(MSI)によって得られた100 μm分解能の記録を提示し、完新世への遷移の間に年平均SSTは安定していたことを見いだした。しかし、季節変動は2倍以上に増大して、現代の値である1.6°Cに近づいており、これはおそらく、熱帯集束帯(ITCZ)の位置や年周変動の幅によって駆動されていたと思われる。さらに我々は、完新世初期に経年変動性が強まったことも見いだした。今回の結果は、熱帯大西洋における10年未満のスケールのSST変動は、直近の氷期から間氷期への遷移の間に見られた変化などの、背景となる気候の急激な変化に敏感であることを実証している。

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