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腫瘍免疫学:侵害受容器ニューロンはがん免疫監視に影響を与える

Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05374-w

固形腫瘍は、自律神経系や感覚末梢神経系から生じる神経繊維により支配されている。疼痛を開始させる感覚ニューロンによる腫瘍の新たな神経支配が、がんの免疫監視に影響を及ぼすのかどうかは分かっていない。今回我々は、黒色腫細胞が侵害受容器ニューロンと相互作用しており、これが神経突起伸長、有害リガンドに対する応答性、神経ペプチド放出の増加につながることを示す。そのような侵害受容器で産生される神経ペプチドの1つであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、細胞傷害性CD8+ T細胞の疲弊を直接増加させ、黒色腫細胞を排除する能力を制限する。TRPV1系譜の遺伝的な除去、侵害受容器の薬理学的なサイレンシング、CGRP受容体RAMP1の拮抗作用は、いずれも腫瘍浸潤白血球の疲弊を軽減し、腫瘍増殖を減少させ、B16F10黒色腫細胞を接種したマウスの生存率を約3倍にした。逆に、CD8+ T細胞の疲弊は、組換えCGRPを局所的に投与した感覚ニューロン枯渇マウスで救済された。Ramp1−/− CD8+ T細胞は、野生型CD8+ T細胞と比べて、担がんRag1欠損マウスに同時移植した場合に疲弊から保護された。黒色腫患者生検の単一細胞RNA塩基配列解読では、腫瘍内のRAMP1発現CD8+ T細胞は、RAMP1陰性のCD8+ T細胞よりも疲弊しているのに対して、RAMP1過剰発現は臨床予後の不良と相関することが明らかになった。まとめると我々の結果は、腫瘍を神経支配する侵害受容器からのCGRPの放出を減らすことは、細胞傷害性CD8+ T細胞に対するCGRPの免疫調節作用を失くすことによって抗腫瘍免疫を改善する戦略になり得ることを示唆している。

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