Article

進化学:鳥類の骨格の進化的多様化における環境シグナル

Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05372-y

進化の速度および様式の変動が現生種の表現型の多様性をどのように構築してきたか、その特徴を明らかにすることは、大進化研究の中心的な目標である。しかし、そうした研究は通常、少数の形質に限定されており、十分な情報は得られていない。今回我々は、生態学的に多様な分類群である現生鳥類の形態的多様性を分析し、「汎骨格的」な比率から個々の骨の局所的な三次元形状の変化まで、構造スケールを詳細に記録した。その結果、鳥類の下位分類群間および骨格要素間で進化の様式に顕著な差異が見いだされ、地球の主要な環境にわたって、広範なモザイクが存在すること、そして大進化の景観構造に差異がある可能性が示された。水に関連する鳥類群、特にAequorlitornithes類(水鳥)は、それらの全形態空間の大部分を繰り返し探索しており、体の比率や、体の中心に近い骨(ロコモーション機構と機能的に関連する)の形状における多様性が顕著である。対照的に、Inopinaves類(陸鳥)は、K–Pg(白亜紀–古第三紀)の大量絶滅後の早い時期に分類群特異的な異なる体の形態を進化させ、次いで、特に頭部や遠位の肢の骨(より直接的に環境と相互作用する)において、局所的形状の多様性を際立たせた。全鳥類種の過半を占めるスズメ類は、控え目な進化的動態を示し、結果として全ての骨格要素にわたって差異の程度は小さかった。現生鳥類の形態空間の初期の確立を示す証拠は、くちばしや複合的な骨格形態など、一部の骨格要素については明確である。一方、「ニッチ占有」モデルのより具体的な予測に反して、そうした形態空間が早期に分割されたことを示す証拠はほとんど得られなかった。しかし、広範な環境タイプ間での早期の分岐は進化様式の早期の分岐を引き起こした可能性があり、これは、環境的分岐がクラウン群鳥類の放散を構築する上で重要な役割を果たしたことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度