Article

構造生物学:SEA複合体のクライオ電子顕微鏡構造

Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05370-0

SEA複合体(SEAC)は増殖調節因子の1つで、酵母ではGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)としてGtr1に作用している。Gtr1は、TORC1(Target of Rapamycin Complex 1)へ栄養状態を中継するRag GTPアーゼである。機能的には、SEACは2つのサブ複合体、すなわちGAP活性を持ちTORC1を阻害するSEACITと、SEACITを調節するSEACATの2つに分割される。哺乳類ではこの系が保存されていて、GATOR1(SEACIT)とGATOR2(SEACAT)からなるGATOR複合体が、アミノ酸やグルコースのシグナルをmTORC1へと伝達する。その重要性にもかかわらず、SEAC/GATORの構造は知られていないため、その機能は分子レベルでは解明されていない。今回我々は、8つのサブユニットからなる天然のSEACのクライオ電子顕微鏡構造を解いた。SEACはモジュール構造であって、SEACATに当たるのはCOPIIに似たケージ構造で、これがSEACITに当たる2つの柔軟なウイングを結合している。ウイングは、両方のモジュールの一部を形成するSea3によりコアへとつなぎ止められている。GATOR1のGAP作用はSEACITに保存されているが、in vitroではGAP活性はSEACATによる影響を受けない。in vivoでは、ウイングはSEACの液胞への動員(主にEGO複合体を介して起こる)に必須である。我々の結果は、SEACATは、SEACITを直接阻害することはなく、TORC1調節因子が結合するための足場として働いていることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度