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神経科学:シナプス小胞の迅速な補給にはシナプトタグミン3が必要である
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05337-1
持続的な神経活動の際に確実なシナプス伝達を維持するには、シナプス小胞の迅速な補給が必要である。そうした小胞補給は、マイクロモル濃度以下のCa2+信号によって加速されるが、これを仲介する高親和性Ca2+センサーはまだ特定されていない。今回我々は、シナプトタグミン3(SYT3)が、そのシナプス前部の高親和性Ca2+センサーであり、小胞補給と短期的なシナプス可塑性を駆動することを突き止めた。Syt3ノックアウトマウスのシナプスでは、短期的な抑圧現象が強化され、抑圧からの回復が遅く、シナプス前部の残存Ca2+に対して非感受性であった。持続的なニューロン発火の間、SYT3は小胞の補給を加速し、容易に放出可能な小胞プールのサイズを増大させた。SYT3はまた、放出確率の低い条件下では短期的な促通現象を仲介し、別の高親和性シナプトタグミンであるSYT7と協働してシナプス強化を促進した。生物物理学的なモデル化からは、SYT3が、緩くドッキングした小胞を強くドッキングした放出準備状態に移行させることで、小胞の補給と促通の両方を仲介すると予測された。今回の結果は、シナプス前部のSYT3が確実な高頻度シナプス伝達の維持に関して持つ重要な役割を明らかにしている。加えて、短期的なシナプス可塑性の複数の形式が、可逆的でCa2+依存的な小胞ドッキングの機構に収斂する可能性がある。

