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材料化学:拡散調節機能を有する多孔性材料を用いた水のアイソトポログの分離
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05310-y
同位体組成のみが異なる分子種であるアイソトポログ(同位体置換体)を分離する方法の発見は、基礎的にも技術的にも不可欠だが、依然として困難である。水のアイソトポログは、生物学的過程、産業、医療などにおいて非常に重要であるが、物理化学的特性や化学的交換平衡が非常によく似ているため、分離が最も難しいアイソトポログペアの1つである。今回我々は、構造体内での有機分子部位のフリップフロップ分子運動が拡散調節機能をもたらす2種類の多孔性配位高分子[PCP;金属有機構造体(MOF)とも呼ばれる]を構築することによって、室温において水のアイソトポログを効率的に分離したことを報告する。チャネル内に規則的に配置された局所的運動をする動的ゲート(狭い細孔開口部)によってゲスト分子の移動が調節されるため、水のアイソトポログの拡散速度のわずかな差が増幅される。2種類のPCPのいずれについても著しい温度応答性吸着が起こっている。H2O蒸気は、優先的にPCP内に吸着され、D2O蒸気と比較して取り込み量が大幅に増大する。このため、H2O/HDO/D2O三成分混合物の速度論に基づく蒸気分離が促進され、室温におけるH2Oの分離係数が約210と高くなる。

