Article
材料科学:効率的かつ安定な逆構造型ペロブスカイト太陽電池のための表面反応
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05268-x
逆構造型(p–i–n構造と呼ばれることが多い)のペロブスカイト太陽電池(PSC)は、製造を容易に拡張でき、確実に動作し、さまざまなペロブスカイト系タンデムデバイス構造に適合するため、将来の商業化に魅力的である。しかし、p–i–n PSCの電力変換効率(PCE)は、n–i–p構造(順構造型)のPSCに後れを取っている。p–i–n構造には他に複数の長所があるにもかかわらず、この大きな性能の差によって、p–i–n構造を導入する取り組みが弱まる可能性がある。過去10年にわたるペロブスカイトバルク材料の最適化の著しい進歩を考慮すると、界面工学は、PSCの性能を限界まで押し上げる最も重要な戦略になっている。今回我々は、ペロブスカイト薄膜上で、成長後の単純な3-(アミノメチル)ピリジン(3-APy)処理を用いる、反応性表面工学的手法を報告する。この手法ではまず、3-APy分子が表面のホルムアミジニウムイオンと選択的に反応して、ペロブスカイトの表面粗さや、表面のステップやテラスに伴う表面電位変動を軽減する。次に、ペロブスカイト表面上の反応生成物が帯電ヨウ素空孔の形成エネルギーを低下させて、これが効果的なn型ドーピングと、表面領域における仕事関数の低減につながる。この反応性表面工学を用いて作製したp–i–n PSCでは、25%を超えるPCEが得られるとともに、大気中、約55°C、1 Sunで2400時間にわたって動作させた後も初期PCEの87%が維持された。

