化学:原子レベルで分散させたロバストな触媒向けの機能性CeOxナノグルー
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05251-6
単原子触媒は、高価な貴金属を非常に効率よく活用するものであり、類を見ない特性を引き出すことができる。しかし、焼結に起因して触媒の安定性が制限されるため、応用に支障が生じることが多い。焼結は、酸化物担体への金属原子のアンカリング(固定)によって抑制できるが、強い金属–酸素相互作用によって、反応物の結合や触媒反応に利用できる金属部位がほとんど残らないことが多く、十分高い温度で還元性条件にさらされると、酸化物にアンカリングされた単原子触媒であっても最終的には焼結する。今回我々は、原子レベルで分散させた金属原子を、酸化物ナノクラスター、すなわち「ナノグルー(nanoglue)」上に閉じ込め、このナノグルー自体を、ロバストな高表面積担体上に分散させて固定化することによって、有益なアンカリング効果を増強できることを示す。我々は、欠陥の多い孤立CeOxナノグルーアイランドを高表面積SiO2の上に接着した後、各ナノグルーアイランドに平均1個のPt原子を保持させることによって、この戦略を実証する。我々は、高温において酸化性と還元性のいずれの環境下でもPt原子が分散したままであり、活性化した触媒がCO酸化に対して著しく高い活性を示すことを見いだした。我々は、還元性条件下での安定性の向上が、担体の構造と、Pt原子の親和性がSiO2に対してよりもCeOxに対してはるかに強いことに起因し、これによってPt原子が確実に、移動可能だが各ナノグルーアイランドに閉じ込められたままとなると考える。機能性ナノグルーを用いて原子レベルで分散した金属を閉じ込め、同時に反応性を高めるという今回の戦略は、一般的なものであり、我々は、この戦略によって単原子触媒が実用化に一歩近づくと予想する。

