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原子核物理学:理論予測から外れた陽子の電磁気学的構造の測定結果
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05248-1
目に見える世界は、自然界で唯一安定な物質の複合的な構成単位である陽子から成り立っている。従って、物質形成の理解は、陽子の束縛状態のダイナミクスと特性の説明に依存する。陽子の基本的な性質には、外部電磁場に対する系の応答が含まれる。これは、電磁場による系内の電荷分布や磁化分布の変形のしやすさを記述する電磁分極率によって特徴付けられる。さらに、一般化された分極率によって、電磁場の影響を受けた結果生じる陽子内の密度の変形がマッピングされる。一般化された分極率から、根底にある系のダイナミクスに関する本質的な情報が明らかになり、陽子の基本的構成要素であるクォークやグルーオンを結び付ける強い相互作用の理論の観点から陽子の構造を解明する手掛かりが得られる。特に関心が持たれているのは、陽子の一般化された電気分極率に関する謎であり、これは20年間未解決のままである。今回我々は、陽子の一般化された電磁分極率を、4元運動量移行の二乗が低い所で測定した結果を報告する。我々は、陽子の一般化された電気分極率の挙動に、原子核理論の予測に反するアノマリーがある証拠を示し、陽子中に誘起された分極の空間分布におけるその兆候を導出した。今回報告した測定結果は、陽子におけるまだ理解されていない新たな動的機構の存在を示唆しており、原子核理論に対する大きな課題を提示している。

