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気候科学:軌道歳差による太平洋の冷舌の2つの年周変動
Nature 611, 7935 doi: 10.1038/s41586-022-05240-9
太平洋の冷舌の海面水温の年周期は、地球の赤道傾斜角(傾斜効果)によって駆動されていると考えられており、そのため、その位相は暦に対して固定されているはずである。しかし、いくつかの地球システムモデルでは、さまざまな軌道歳差配置の下でその位相と振幅が劇的にかつ一貫して変化している。今回我々は、冷舌には、軌道離心率による太陽と地球の間の距離の変動(距離効果)によって駆動される、もう1つの年周期があることを示す。これら2つの周期の周期性はわずかに異なるので、その干渉の結果、歳差周期に対して正味の季節変動が複雑に発展する。距離効果による振幅は、離心率とともに線形に増大し、過去100万年で最大の離心率の値(e値が約0.05)では、傾斜効果による振幅に匹敵する。機構的には、ウォーカー循環の季節的な経度変動とそれに続く熱帯太平洋の動的な海洋–大気系に対する年周風強制を通して、冷舌に対する距離効果が生じる。今回の知見によって、太平洋の冷舌の年周期に関する現在の理解の再検討と、年周位相変化に関する熱帯太平洋の古気候記録の再評価が必要になる。

