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細胞生物学:非カノニカルなβアドレナリン系によるエンドソームでのERK活性化

Nature 611, 7934 doi: 10.1038/s41586-022-05343-3

Gタンパク質共役受容体(GPCR)はシグナル伝達受容体の最大のファミリーで、重要な薬剤標的でもあり、細胞の増殖と生存のマスター調節因子であるERK(extracellular-signal-regulated kinase)を活性化することが知られている。しかし、GPCRを介するERK活性化の基盤となる正確な機構は、詳しく解明されていない。今回我々は、空間的に組織化されたβ2-アドレナリン受容体(β2AR)からのシグナル伝達がERKを制御する仕組みを調べた。細胞内を対象にしたERK活性のバイオセンサーを用いて、β2ARシグナル伝達は、エンドソームでERK活性を誘導するが、細胞膜ではERK活性を誘導しないことが分かった。このERK活性の上昇は、エンドソームに局在する活性なGαsに依存し、リガンド刺激によるβ2ARエンドサイトーシスを必要とする。さらに、Gαs、RAF、MAP(mitogen-activated protein)キナーゼキナーゼからなりエンドソームに局在する非カノニカルシグナル伝達軸が見つかり、この軸によってエンドソームのERK活性が上昇し、核へと広がることが分かった。エンドソームのβ2ARシグナル伝達とGαsシグナル伝達を選択的に阻害すると、核のERK活性、MYC遺伝子の発現、細胞の増殖が抑制された。これらの結果から、GPCRシグナル伝達を介してERKを空間的に調節する非カノニカルな機構が明らかになり、機能的に重要なエンドソームシグナル伝達軸が判明した。

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