古生物学:ステム群トカゲのシンクロトロン断層撮影が明らかにする初期の有鱗類の解剖学的構造
Nature 611, 7934 doi: 10.1038/s41586-022-05332-6
有鱗類(トカゲ類とヘビ類)には1万を超す現生種が含まれており、その祖先動物は、有鱗類に最も近縁な現生動物であるムカシトカゲ類(Sphenodon)の祖先から2億4000万年以上前に分岐した。しかし、化石証拠の不足に加え、有鱗類の系統発生の分子的な説明と形態的な説明の間には深刻な矛盾があり、有鱗類の解剖学的構造の起源や進化的組み立てについて不確実性が生じている。今回我々は、高分解能のシンクロトロン位相コントラスト断層撮影法を用いて記録された、スコットランドで見つかった中期ジュラ紀のステム群有鱗類Bellairsia gracilisのほぼ完全な骨格について報告する。Bellairsiaには、頭蓋キネシス(多くの現生有鱗類の重要な機能的特徴)に関係する形質や、脳函および肩帯の形質など、クラウン群有鱗類と共通する数々の特徴が見られた。これらの派生形質に加えて、Bellairsiaには、翼状骨–鋤骨の接触や、頸部および背側の両方の間椎体の存在など、祖先的なものと推定される特徴も保持されていた。系統発生学的解析からは、Bellairsiaがステム群有鱗類であることを強く裏付ける結果が得られ、これは、Bellairsiaと現生のヤモリ類に共通して見られるいくつかの特徴が原始形質であることを示唆しており、ヤモリ類が初期に分岐した有鱗類であるという分子系統発生学的な仮説と一致する。我々はまた、謎に満ちたオクルデンタビス(Oculudentavis)がステム群有鱗類に類似していることを示す、確信的な裏付けを提示する。今回得られた知見は、懸垂骨、脳函、肩帯の有鱗類様の機能的特徴が、口蓋および脊椎の形質の起源に先行して生じたことを示すとともに、少なくとも白亜紀の中盤までは、進化したステム群有鱗類が陸上の動物集団の永続的な構成動物であったことを示している。

