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地球科学:地球の深部マントルのブリッジマナイトへのカルシウムの溶解
Nature 611, 7934 doi: 10.1038/s41586-022-05237-4
地球の体積の半分以上を占める下部マントルを理解するには、鉱物学的性質の正確な知識が不可欠である。CaSiO3ペロブスカイトは、ブリッジマナイトとフェロペリクレースに次いで、下部マントル全体にわたって3番目に豊富な鉱物であると考えられている。今回我々は、約2300 Kかつ40 GPa以上では、ブリッジマナイトのカルシウム溶解度が、パイロライト中の全てのCaSiO3成分がブリッジマナイトに完全に溶解するのに十分なレベルまで急激に上昇し、その結果、地温勾配に沿って約1800 kmより深い所でCaSiO3ペロブスカイトが消滅することを実験的に示す。従って我々は、下部マントル浅部の2つのペロブスカイトからなる領域(TPD;ブリッジマナイトとCaSiO3ペロブスカイト)から、下部マントル深部の単一のペロブスカイト領域(SPD;カルシウムに富んだブリッジマナイト)への変化を提案する。鉄は、ブリッジマナイトのカルシウム溶解度を高めるのに重要な役割を果たしているように思われる。温度に駆動される性質は、TPDからSPDへの変化が起こる深さで、温度変動に応答して(500 km以上の深さまで)大きな水平方向の変化をもたらし得る。さらに、SPDは、マントルの温度がより高かった過去においては、より厚かったはずである。今回の知見は、マントル深部の鉱物学モデルの見直しを求めるとともに、その領域の組成、構造、ダイナミクス、進化に関する我々の理解に影響を及ぼす。

