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ナノテクノロジー:酵素を用いたニューラルネットワークによる非線形意思決定
Nature 610, 7932 doi: 10.1038/s41586-022-05218-7
人工ニューラルネットワークは、電子計算に大変革をもたらした。同様に、ニューロモルフィック・アーキテクチャーを持つ分子計算ネットワークは、遺伝子調節ネットワークに匹敵するレベルの意思決定を、分子で行うことを可能にし得る。酵素を用いないネットワークは、原理的にはニューロモルフィック・アーキテクチャーを実現できることが示されており、その可能性を証明する重要な事例も報告されている。しかし、漏洩(すなわち、不要な分子種の放出)の問題や、感度、速度、調製の難しさ、さらには強い非線形応答が得られないなど、さまざまな問題によって、ネットワークの層構成が不安定化するなどして、多層ニューラルネットワークと同等な分子分類処理は依然として困難である(例えば、線形分離できない領域への濃度空間の分割)。今回我々は、DNAにコードされた、重みとバイアスを調整できる、酵素を用いたニューロンを提案する。これらのニューロンは、多層構造に集合して、非線形に分離可能な領域に分子の濃度状態を分類する。まず我々は、ニューロンの分類能の鋭さを利用して、10ビットのさまざまな多数決演算を実現した。次に、このニューロンを用いて2層ネットワークを構成し、miRNAを入力として、矩形関数のパラメーターの組み合わせを決定した。さらに、ニューラルネットワークと論理計算を接続してハイブリッド回路を構成し、細胞サイズの液滴において決定木に従って濃度面を再帰的に分割した。今回示した計算能力と超小型化は、リキッドバイオプシーやDNAデータベースなど、情報の内容が複雑な分子システムに問い合わせを行い、それを管理する道を開くものである。

