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生物地球化学:農業による窒素汚染に対する地球規模から地域的規模の限界
Nature 610, 7932 doi: 10.1038/s41586-022-05158-2
農業における過剰な窒素使用は、全球的に環境問題をもたらしており、安全な地球の限界を超えていると示唆されるほどである。しかし、地球の窒素限界に対する以前の見積もりでは、窒素汚染に対する生態系の感度と農業による窒素の損失の両方の空間変動が説明されていなかった。今回我々は、空間的に明確なモデルを用いて、陸域生態系と水界生態系の富栄養化と地下水の硝酸塩のしきい値から、農業による窒素余剰に対する地域的限界を確立した。我々は、農業による窒素汚染に対する地域的限界を見積もり、農業における窒素の過度な使用と増やす余地の両方を見いだした。全てのしきい値について合計した全球の余剰限界は、窒素換算で年間43メガトンとなり、これは、現在(2010年)の窒素余剰(窒素換算で年間119メガトン)より64%少ない。環境しきい値を超えていない地域で、収量の差を埋めるために窒素余剰を増やすことを許容すると、地球の窒素限界が年間57メガトンに上がる。地域や地球の窒素限界を侵害せずに世界の人々に食料を供給するには、窒素利用効率の大幅な向上とともに下水などの非農業的窒素源の軽減が必要である。このためには、農業システムの不均一性、非農業的窒素損失、環境の脆弱性を認識した協調的行動が求められる。

