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がん:肝星細胞の亜集団は肝臓がん発生において相反する役割を持つ
Nature 610, 7931 doi: 10.1038/s41586-022-05289-6
肝細胞がん(HCC)は、世界のがんによる死因の第4位であり、そのほとんどは慢性肝疾患と進行性繊維症の患者に集中して発生する。今回我々は、肝臓がん発生の際の、肝臓繊維芽細胞の主要な供給源である肝星細胞(HSC)の機能について調べた。HCCマウスモデルにおいて、HSCの遺伝的な枯渇、活性化あるいは抑制により、HSCが持つ全体的な腫瘍促進性の役割が明らかになった。HSCは新生物発生前の環境に多く存在し、そこで肝細胞と密接に相互作用して、肝細胞の増殖と細胞死を調節することで、肝臓がん発生を調整していた。単一細胞RNA塩基配列解読と亜集団で高発現するメディエーターの遺伝的除去を組み合わせて用いた、マウスとヒトのHSC亜集団の解析からは、肝臓がん発生におけるHSCの二重の機能が明らかになった。静止期のサイトカイン産生HSCに豊富に見られる肝細胞増殖因子は、肝細胞の細胞死とHCC発生を防いだ。対照的に、活性化された筋繊維芽細胞性HSCに豊富に見られるI型コラーゲンは、前腫瘍性肝細胞では剛性の上昇とTAZ活性化を介して、また、確立された腫瘍ではDDR1(discoidin domain receptor 1)の活性化を介して増殖と腫瘍発生を促進した。肝疾患進行の際のサイトカイン産生HSCと筋繊維芽細胞性HSCの間のHSC不均衡の上昇は、患者のHCCリスク上昇と関連していた。まとめると、慢性肝疾患の際のHSC亜集団とそのメディエーターの動的な変化は、HCC防止からHCC促進への転換に関連している。

