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光物理学:ブロッホ電子間の相関のアト秒計時測定
Nature 610, 7931 doi: 10.1038/s41586-022-05190-2
非局在化したブロッホ電子と、そうしたブロッホ電子間の低エネルギー相関によって、固体の主要な光学的機能、電子的機能、エンタングルメント機能から相転移までが決まる。多体相関がブロッホ電子の実際の運動にどのように影響を及ぼすかを直接捉えるには、サブフェムト秒(1フェムト秒は10−15秒)の時間精度が望ましい。しかし、アト秒(1アト秒は10−18秒)高エネルギー光子を用いたプロービングには、関連するフェルミ準位近傍の電子のミリ電子ボルトスケールの相互作用を分解できるほど十分なエネルギー選択性がない。今回我々は、マルチテラヘルツ光場を用いて半導体結晶中の電子–正孔対に強制的に閉じた軌跡をとらせ、分離と再衝突の間の遅延を、駆動場の振動周期の0.7%に相当する300アト秒の精度で計時測定した。その結果、最適な再衝突タイミングが、WSe2原子層において出現する強いクーロン相関によって、バルク物質と比較して最長で1.2 ± 0.3フェムト秒シフトすることが見いだされた。ウィグナー関数表現における量子力学的多体計算を用いた定量的な解析によって、クーロン相互作用、非古典的性質、駆動場の強さ、バレー分極が、ダイナミクスにどのような影響を及ぼすかに関して、直接的かつ直観的な視点が得られた。今回の非局在化電子のアト秒計時結果は、将来のエレクトロニクス技術、オプトエレクトロニクス技術、量子情報技術に向けて、予期せぬ相転移や創発的量子力学現象の理解を一変させる可能性がある。

