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科学コミュニティー:米国の大学教員の雇用と定着における序列と動態の定量化

Nature 610, 7930 doi: 10.1038/s41586-022-05222-x

大学教員の雇用と定着によって米国の学術労働人口の構成が決定され、教育成果、キャリア、アイデアの展開や広がり、研究の優先順位が直接形作られている。しかし、雇用と定着は動的であり、これは、社会的および学術的な優先順位、世代交代、そしてジェンダー・人種・社会経済的な視点における教授陣の多様化への取り組みを反映している。米国の教授陣の構造と動態を包括的に研究することによって、これらの取り組みの効果や学問を形作る過程が、より広範に明らかになるだろう。今回我々は、2011〜2020年の10年間について、米国で博士号を授与する全大学のテニュアトラック教員の大学雇用と博士課程教育を解析し、教員の輩出、評判、定着、ジェンダーにおける著しい不平等を定量化した。我々の解析から、少数の大学があらゆる分野で大多数の教員を輩出しているという普遍的な不均衡が明らかになり、これは人員削減のパターンにより悪化し、大学間の評判の序列における格差の大きさを反映している。また、米国外で教育を受けた教員や、博士号を取得した大学で雇用された教員では、離職率が著しく高いことが分かった。我々の結果は、この10年間における女性教員の増加は、人口動態の変化や、雇用に対する以前の変更の結果であり、ほとんどの分野で長期的な男女平等につながる可能性は低いことを示している。これらの解析結果は、米国の大学教員の雇用と定着の動態を定量化したものであり、米国の学術労働力の組織、構成、学問を改善するための取り組みに役立つだろう。

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