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有機化学:ニトロアレーンの光励起によるアルケンの酸化的開裂
Nature 610, 7930 doi: 10.1038/s41586-022-05211-0
アルケンの酸化的開裂は、原材料を高価値合成中間体に変換するのに不可欠な過程である。1回の化学的ステップでアルケンを酸化的に開裂する最も実行可能な方法は、オゾンを用いる方法である。しかし、オゾン分解生成物には爆発性があるため、この方法は技術的課題や安全性の課題を伴う。今回我々は、ニトロアレーンと紫色光照射を用いてアルケンの酸化的開裂を行う代替的手法を報告する。我々は、光励起されたニトロアレーンが、容易にアルケンとラジカル[3+2]付加環化反応を起こす効果的なオゾン代替物となることを実証する。反応によって得られる「Nドープ」オゾニドは、安全に取り扱うことができ、温和な加水分解条件下で、対応するカルボニル生成物をもたらす。こうした特徴によって、一般的に用いられる広範な有機官能基の存在下で、あらゆる種類のアルケンの制御開裂が可能になる。さらに、電子的効果、立体効果、媒介極性効果を利用することにより、構造や官能基が多様なニトロアレーンから、2つ以上のアルケン部を含む基質において部位選択性を得るモジュールプラットフォームが得られた。

