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天文学:赤色巨星のコアの30〜100 kGの磁場
Nature 610, 7930 doi: 10.1038/s41586-022-05176-0
赤色巨星は、進化した低質量または中質量の星で、中心部の水素を使い果たしてヘリウム核と水素燃焼殻が残されている。星の振動は、可視光の光度曲線の周期的な減光と増光として観測できる。赤色巨星では、非動径方向の音波が重力波と結合して混合モードが生じ、これが、外層では圧力モード、コアでは重力モードとして振る舞う。以前、これらのモードを用いて赤色巨星の内部回転が測定され、コアからの純粋な流体力学的な角運動量輸送の過程は効率が悪過ぎるという結論が導かれた。磁場は、必要とされるさらなる角運動量輸送を生み出す可能性がある。しかし、恒星内部の磁場の直接的な測定は行われておらず、それらの性質については今のところほとんど分かっていない。磁場は回転と同様に振動モード周波数における偏移を誘起するため、星震学によって磁場の直接的な検出が可能である。本論文では、ケプラー衛星で観測された3個の赤色巨星のコアにおける磁場の測定結果について報告する。これらの磁場は、双極子モードの多重項の対称性を破る偏移を誘起する。このようにして我々は、水素燃焼殻の近傍で約30〜100 kGの磁場強度を測定し、磁場のトポロジーに制約を与えた。

