Article

化学:距離、幾何構造、キラリティーによるアザアレーンのC–H結合の分子編集

Nature 610, 7930 doi: 10.1038/s41586-022-05175-1

炭素–水素(C–H)結合の逐次的な選択的官能基化を通してヘテロアレーンのC–H結合を直接分子編集することによって、多様な化学空間を速かに利用できるようになる可能性がある。これは有益だが、医薬品化学では達成困難な試みである場合が多い。電子的に偏ったヘテロ環C–H結合とは対照的に、二環式アザアレーン上のベンゾ環の遠隔C–H結合は、もともと立体的/電子的偏りが欠如しているため、特に差別化が難しい。今回我々は、テンプレート設計において、距離と幾何構造、そしてこれまで考慮されなかったキラリティーの慎重な調節を通して、二環式アザアレーン上の隣り合う遠隔位(C6位とC7位)や位置的に類似した部位(C3位とC7位)のモジュール式差別化と官能基化を可能にする、概念的に異なる2種類の配向テンプレートについて報告する。この戦略では、空間的にC7位と似ている競合C3位が存在する場合に、キノリンの隣接C6位とC7位においてC–H結合の直接的なオレフィン化、アルキニル化、アリル化が可能になる。注目すべきことに、キノリン含有ファーマコフォアのそうした部位選択的で逐次的な合成後期C–H編集は、オーダーメイドの合成応用に適合するよう、異なる順序でモジュール式に行うことができる。本論文は、以前報告された補完的方法と合わせて、二環式アザアレーンをさまざまな順序で任意の部位において直接修飾する統合的な合成後期「分子編集」戦略を十分に確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度