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がん:ヒト菱脳唇の分化異常が髄芽腫形成の基盤となる

Nature 609, 7929 doi: 10.1038/s41586-022-05215-w

髄芽腫は菱脳の初期発生と強く結び付いている、不均一な小児胎児性腫瘍の集団である。ソニックヘッジホッグ(SHH)シグナル伝達を活性化する変異は、上菱脳唇の顆粒細胞系譜におけるSHH型髄芽腫の原因となる。対照的に、WNTシグナル伝達を活性化する変異は、下菱脳唇でのWNT型髄芽腫の原因となる。しかし、よりありふれたgroup 4(G4)髄芽腫は、単極性刷毛細胞系譜から生じると考えられているものの、その発症機序はほとんど分かっていない。今回我々は、G4髄芽腫を引き起こす体細胞変異は、CBFA(core binding factor alpha)複合体に集積し、CBFA2T2、CBFA2T3、PRDM6、UTXおよびOTX2に影響を及ぼす異常が相互排他的に生じていることを突き止めた。CBFA2T2は、ヒト(Homo sapiens)では小脳菱脳唇の脳室下帯の前駆細胞に早期に発現しており、G4髄芽腫はこれらの前駆細胞と遺伝子発現が類似しているが、発達の途中で分化が停止している。細胞株モデルでOTX2をノックダウンすると、この分化阻害が軽減され、髄芽腫細胞の分化は正常な発生分化の軌跡に沿って自発的に進行する。このヒト菱脳唇が分割されている性質(ヒト菱脳唇はヒト脳のほとんどのニューロンを生み出す運命にある)と、菱脳唇内のEOMES+KI67+を高発現する影響を受けやすい単極性刷毛細胞前駆細胞が、G4髄芽腫発生リスクを高めていると思われる。

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