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構造生物学:ヒトの還元型葉酸輸送体SLC19A1によるメトトレキセート認識

Nature 609, 7929 doi: 10.1038/s41586-022-05168-0

葉酸は、一炭素単位転移反応の補因子として重要な役割を持つ必須栄養素で、核酸の合成や細胞分裂中のアミノ酸代謝で大量に使われている。哺乳類は、de novo葉酸合成経路を欠いているので、細胞外環境からの葉酸取り込みに依存している。ヒトの還元型葉酸輸送体(hRFC;別名SLC19A1)は、細胞への葉酸取り込みの主要な運搬体というだけでなく、メトトレキセートのような化学療法薬の取り込みも行っている。RFCは陰イオン交換輸送体であるため、葉酸や抗葉酸薬の取り込みと陰イオン排出を細胞膜を横断して共役させている。また、RFCの遺伝的バリアントやその欠損は薬剤耐性につながるので、RFCは抗葉酸剤であるメトトレキセートに対する感受性の主な決定因子となっている。こうした重要性にもかかわらず、hRFCに見られる基質特異性の分子基盤は解明されていない。今回我々は、アポ状態、それにメトトレキセートとの複合体を形成した状態のhRFCのクライオ電子顕微鏡構造を示す。分子動力学シミュレーションおよび機能実験と組み合わせることで、我々の研究によってhRFCが葉酸と抗葉酸剤の間で示す輸送選択性の主な決定要因が明らかになり、同時にhRFCによる陰イオン認識の重要な特徴についての手掛かりが得られた。

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