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天文学:マゼラン雲コロナの観測
Nature 609, 7929 doi: 10.1038/s41586-022-05090-5
大マゼラン雲(LMC)と小マゼラン雲(SMC)は、天の川銀河に最も近い大質量の伴銀河である。LMCとSMCはおそらく、銀河系に向かって落下する軌道上を初めて通過する途上にあり、局所銀河群の連続したダイナミクスの履歴を記録している。LMCの質量が大きい(Mhalo ≈ 1011.1~11.4 M⊙)という最近の測定結果からは、LMCにはマゼラン雲コロナがあるに違いないと示唆されている。マゼラン雲コロナは、衝突によって電離したビリアル温度(105.3~5.5 K)の中高温ガスのハローであり、初期にはビリアル半径[100~130キロパーセク(kpc)]まで広がっていた。このようなコロナによって、マゼラン雲流の形成が方向付けられた可能性がある。マゼラン雲流とは、天球上で200°にわたって広がる潮汐ガス構造で、金属に乏しいガスを天の川銀河に運んでいる。本論文では、背景クエーサー方向の紫外線(UV)吸収で観測された、高電離酸素(O+5)によるおそらく直接的な検出と、3階電離した炭素とケイ素を使った間接的な検出による、このマゼラン雲コロナの証拠を示す。我々は、マゼラン雲コロナが、多くの電離状態で観測されている広がった多相マゼラン雲銀河周辺物質(CGM)の一部であり、その半径方向の投影プロファイルはLMCから少なくとも35 kpcまで減少しながら広がっていて、電離したCGMの全質量がlog10(MH II,CGM/M⊙) ≈ 9.1 ± 0.2であることを見いだした。今回のマゼラン雲コロナの証拠は、マゼラン雲星団と、その局所銀河群との入れ子的進化の特徴を明らかにする重要な一歩となる。

