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材料科学:体心立方金属における異常すべり
Nature 609, 7929 doi: 10.1038/s41586-022-05087-0
結晶の強度や塑性流動は、原子せん断の増分を運ぶ線欠陥である転位の運動や相互作用によって制御される。大半の結晶では、変形は転位に働くすべり力が最大になる結晶面内で進展するが、体心立方金属における塑性はより複雑である。分解せん断応力が最大ではないすべり系は、低温で優位になり、異常すべりにつながる可能性がある。今回我々は、透過型電子顕微鏡におけるin situ引張試験を用いて、異常すべりが、マルチジャンクション、すなわち、単一の転位よりも数桁速い速度ですべる2本以上の転位の間のジャンクションの高い移動度に起因することを示す。こうしたマルチジャンクションは、単純なバイナリージャンクションとすべり運動をする転位の相互作用によって生じる。弾性理論によって、こうしたバイナリージャンクションは、タングステンなどの弾性異方性が小さい結晶では不安定であるはずだと予測されているが、実験と原子論的シミュレーションの結果は共に、そうしたジャンクションが動的条件下で形成され得ることが明らかになった。これは、タングステンを含め、ほぼ全ての体心立方金属に異常すべりが存在することと一致する。

