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薬理学:2種類の薬理効果を利用した脳限定的なmTOR阻害
Nature 609, 7928 doi: 10.1038/s41586-022-05213-y
標的組織外での標的分子への薬剤の結合は有害作用の重要な原因であり、これが候補薬剤の治療濃度域を狭めている。中枢神経系の疾患では、脳に限定される薬理効果を持つ薬剤が強く望まれている。今回我々は、脳透過性のmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害剤であるRapaLink-1と、脳非透過性のFKBP12リガンドであるRapaBlockを用いて、脳以外の部位ではmTOR活性を残しながら、脳ではmTORを阻害する戦略を報告する。この薬剤の組み合わせにより、mTOR阻害剤の全身での作用は弱まるが、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)の異種移植片でのRapaLink-1の有効性は保持されることが分かった。我々はさらに、既知の薬剤骨格から細胞浸透性のFKBP12依存性キナーゼ阻害剤を設計する一般的な手法についても示す。これらの阻害剤はRapaBlockによる不活性化に感受性があるため、それぞれのキナーゼ標的に対する脳限定的な阻害が可能となる。

