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細胞生物学:ホスホイノシチドシグナル伝達経路を介した急速なリソソーム修復

Nature 609, 7928 doi: 10.1038/s41586-022-05164-4

リソソームの機能不全と、疾患や正常老化との関連が次第に明らかになってきている。リソソーム関連疾患の特徴の1つであるリソソーム膜透過性亢進(LMP)は、さまざまな細胞ストレス要因によって引き起こされ得る。リソソームの内容物の有害性を考えると、LMPは速やかに解決されなければならないが、その原因となる機構についてはほとんど分かっていない。今回我々は、偏りのないプロテオミクス手法を用いて、LMPは急速なリソソーム修復を行うためにPITT(phosphoinositide-initiated membrane tethering and lipid transport)経路を活性化することを示す。LMPが起こると、PI4K2A(phosphatidylinositol-4 kinase type 2α)は、損傷したリソソームに速やかに蓄積し、脂質メッセンジャーであるホスファチジルイノシトール4-リン酸を高レベルに生成する。すると今度は、リソソームのホスファチジルイノシトール4-リン酸が、複数のオキシステロール結合タンパク質(OSBP)関連タンパク質(ORP)ファミリーのメンバー(ORP9、ORP10、ORP11、OSBPなど)を動員し、損傷したリソソームと小胞体の間に、多数の新たな膜接触部位を作り出す。これらのORPはその後、ホスファチジルセリンとコレステロールの小胞体からリソソームへのロバストな移動を触媒し、急速なリソソーム修復を後押しする。最後に、脂質輸送タンパク質のATG2も損傷したリソソームに動員され、その活性はそこでホスファチジルセリンによって強力に誘発される。ATG2は、マクロオートファジーとは独立に、直接的なリソソーム脂質輸送を介して急速な膜修復を仲介する。まとめると我々の知見は、PITT経路がリソソーム膜の完全性を維持しており、リソソーム機能異常を特徴とする多数の加齢関連疾患に重要な意義を持つことを明らかにしている。

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