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神経科学:脳幹のADCYAP1+ニューロンが疾病行動の複数の側面を制御する

Nature 609, 7928 doi: 10.1038/s41586-022-05161-7

感染は動物において、食欲不振、渇感欠如、嗜眠、体温変化などの多面的な応答を引き起こし、これらはまとめて疾病行動と呼ばれる。こうした応答は適応行動であることが示されているが、その根底にある神経機構は明らかにされていない。今回我々は、偏りのない一連の方法を用いて、脳幹内の特定のニューロン亜集団が、疾病行動を強く誘発する細菌の内毒素[リポ多糖(LPS)]に対する多様な応答を制御し得ることを示す。全脳活動マッピングによって、孤束核(NTS)と最後野(AP)の一部のニューロン群が、LPS投与後にFOSを急激に発現することが明らかになり、FOS2A-iCreERT2(別名TRAP2)マウスでこれらの特定ニューロンを再活性化すると、疾病の行動的要素と体温の要素が再現されることも分かった。また、LPS活性化ニューロンを阻害すると、LPSに対する全ての行動応答が減弱した。NTS–APの単一核RNA塩基配列解読を用いることでLPS活性化ニューロン集団が特定され、神経ペプチドであるADCYAP1を発現するニューロン(ADCYAP1+ニューロン)のNTS–APにおける活性化が、LPSによる応答を完全に再現することが見いだされた。さらに、これらのニューロンを阻害すると、LPS注射後に見られる食欲不振、渇感欠如、運動停止が有意に低下した。まとめるとこれらの研究は、LPSがニューロン集団に及ぼす多面的影響をマッピングしており、この集団は疾病応答の標準的要素に必要かつ十分で、これにより、脳と感染応答の重要な連係が確立された。

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