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神経科学:洞毛運動の振動子回路

Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-05144-8

中枢振動子は、周期的運動を生成・制御する原始的な神経回路である。こうした回路を機構的に理解するには、振動子ニューロンとそのシナプス結合を遺伝学的に同定して、行動中における標的化電気生理学的記録と因果関係を調べるための操作を可能にする必要がある。しかし、そうした標的化は哺乳類系ではまだ難しい。今回我々は、齧歯類における採餌行動や能動的感知に欠かせない運動作用である、律動的な洞毛運動を駆動する振動子回路を明らかにする。我々は、洞毛運動の振動子が、脳幹の洞毛中間網様核内のパルブアルブミンを発現する抑制性ニューロン群(vIRtPV)で構成されることを見いだした。vIRtPVニューロンは、下行性興奮性入力を受容して、細胞間で反回性抑制結合を形成する。vIRtPVニューロンを抑制すると、律動的な洞毛運動は消え、洞毛は伸びた状態で維持された。覚醒マウスで、光標識したvIRtPVニューロンからin vivo記録を行ったところ、これらの細胞が、マウスの休息中には定常的な発火を示し、洞毛運動の開始時に周期的なバースト発火に移行することが示された。これは、周期性の生成が、内在的な細胞特性ではなく、おそらく神経ネットワークの動態の結果であることを示唆している。重要なことに、vIRtPVニューロンへの抑制性シナプス入力を除去すると、周期的バーストは消退し、定常発火からバースト発火への移行が阻害されて、通常の洞毛運動も停止した。このように、洞毛運動振動子は全抑制性のネットワークであり、反回性のシナプス抑制がその周期性の生成に重要な役割を果たしている。

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