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植物科学:シロイヌナズナPIN1によるオーキシンの認識と排出に関する構造学的知見
Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-05143-9
極性を持つオーキシン輸送は植物に特有であり、生長と発育を調整している。PIN-FORMED(PIN)オーキシン輸送体は、細胞膜で高度に非対称な局在を示し、オーキシンの極性輸送を駆動している。しかし、その構造や輸送機構はほとんど明らかになっていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のPIN1について、3種類の内向きのコンホメーション、すなわち、アポ状態、天然に存在するオーキシンであるインドール-3-酢酸(IAA)と結合した状態、それにオーキシン極性輸送の阻害剤であるN-1-ナフチルフタラミン酸(NPA)と複合体を形成した状態のコンホメーションを報告する。PIN1の膜貫通ドメインは、保存されたNhaA型の折りたたみを共有している。基質が結合した構造では、IAAは疎水性相互作用によるスタッキングと水素結合の両方によって配位している。NPAは、IAAと細胞内ポケットの同じ部位を競合しているが、親和性はIAAよりずっと高い。これらの知見は、PIN類の基質認識と輸送機構の解明を進め、植物の発育の基礎となる最も重要な過程の1つである、方向性のあるオーキシン輸送のこれからの研究の枠組みを据えるものだ。

