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植物科学:シロイヌナズナのオーキシン輸送体PIN3の構造と輸送機構
Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-05142-w
オーキシン輸送体のPIN-FORMED(PIN)タンパク質ファミリーはオーキシンの極性輸送を仲介していて、植物の生長と発育に重要な役割を担っている。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来のPIN3について、アポ状態、基質であるインドール-3-酢酸、または阻害剤であるN-1-ナフチルフタラミン酸(NPA)と複合体を形成した状態のクライオ電子顕微鏡構造を示す。シロイヌナズナPIN3はホモ二量体として存在していて、足場ドメイン中の膜貫通へリックス1、2と7が二量体形成に関わっている。二量体となったPIN3は、二量体界面上に細胞外に向いた大型のくぼみを形成しているが、個々のサブユニットは内向きのコンホメーションをとっている。その構造と機能解析は、計算による研究と共に、インドール-3-酢酸とNPAの認識の構造学的基盤を明らかにし、PINに仲介されるオーキシン輸送のNPAによる阻害の分子機構を説明している。PIN3の構造は、オーキシン輸送のエレベーター様モデルを裏付けており、このモデルでは輸送ドメインが剛体として上下運動をするが、二量体化した足場ドメインは静止したままである。

