Article

化学:ナノ領域に閉じ込められた単層水の第一原理相図

Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-05036-x

ナノスケールの空洞の中の水は、至る所に存在し、地質学や生物学における日常的な現象に最も重要である。しかし、ナノスケール水の特性は、例えば、ナノチャネル内の水の異常に低い誘電率、ほぼ無摩擦の水流、正方相の氷が存在する可能性によって示されているように、バルク水とは大きく異なる場合がある。そうした特性は、ナノ流体工学、電解質材料、淡水化への技術的応用向けにナノ閉じ込め水を設計できる可能性があることを示唆している。残念なことに、ナノスケールでの水の実験的特性評価が難しく、第一原理シミュレーションにかかるコストが高いため、水の挙動の制御に必要な分子レベルの理解が阻まれている。今回我々は、さまざまな計算手法を組み合わせて、グラフェン様チャネル内の単層水の第一原理レベルの研究を可能にした。そして、単層水が、温度やナノチャネル内で働くファンデルワールス圧力に対して非常に敏感で、驚くほど豊かで多様な相挙動を示すことを見いだした。我々は、圧力とともに融点が400 K以上非単調に変化する複数の分子相に加えて、固体と液体の中間である六方相と、電池材料を超える高い電気伝導度を示す超イオン相を予測する。これは特に、ナノ閉じ込めが、容易にアクセス可能な条件下での超イオン挙動への有望な経路となる可能性があることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度