Article
構造生物学:テロメア鋳型に結合したヒトCST–Polα–プライマーゼ複合体の複数の構造
Nature 608, 7924 doi: 10.1038/s41586-022-05040-1
哺乳類のDNAポリメラーゼα–プライマーゼ(Polα–プライマーゼ)複合体はDNA代謝に必須であり、ラギング鎖合成やテロメアC鎖の複製・伸長のような複数のDNA複製経路でde novo RNA–DNAプライマーを提供している。Polα–プライマーゼが単独で、あるいは補助タンパク質と協働して、複雑で多数の段階からなるそのプライマー合成機能を実行する仕組みの基盤である物理的機構は知られていない。今回我々は、Polα–プライマーゼの一本鎖DNA結合補助タンパク質複合体であるCSTが、効率の良いプライマー合成のためにこの酵素を物理的に調整することを示す。さまざまな種類のテロメア突出と結合したCST–Polα–プライマーゼ開始前複合体(PIC)のクライオ電子顕微鏡構造から、鋳型に結合したCSTがPolα–プライマーゼのDNA触媒中心とRNA触媒中心を2つの分かれたドメインへと分割し、それらをRNA–DNAの合成順に効果的に配置することが明らかになった。PICの構造から、Polα–プライマーゼによるRNA–DNAプライマー合成のために必要な複数の構造学的問題を満たす唯一の解が与えられる。今回の研究では、CSTの鋳型結合の特異性、CST–Polα–プライマーゼPICの組み立てと活性化での鋳型の必要性についての複数の知見も得られた。

