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代謝:非カノニカルなビタミンK回路が、強力なフェロトーシス抑制因子として働く
Nature 608, 7924 doi: 10.1038/s41586-022-05022-3
フェロトーシスは、アポトーシスとは異なる細胞死の一種で、鉄依存性の脂質の過酸化が特徴であり、臓器障害、神経変性疾患、治療抵抗性のがんの脆弱性に関連して重要な役割を果たしている。フェロトーシスに関連する分子過程の解明は進んできているものの、細胞のフェロトーシス感受性を決める外因性および内因性の細胞過程についてさらなる解明が望まれている。今回我々は、完全還元型のビタミンK(メナキノンやフィロキノンをはじめとするナフトキノン類)は、γ-グルタミルカルボキシラーゼの補因子として働くことで血液凝固を促すという従来の作用に加えて、強力な抗フェロトーシス作用を持つことを明らかにする。フェロトーシス抑制タンパク質1(FSP1)は、NAD(P)H-ユビキノンレダクターゼであり、グルタチオンペルオキシダーゼ4に次ぐフェロトーシス制御の第二の柱でもあるが、これがビタミンKを効率よく還元してヒドロキノン型に変換することが分かった。この還元型ビタミンKはラジカルを捕捉する強力な抗酸化剤であり、(リン)脂質の過酸化を抑制する。また、FSP1を介したビタミンKの還元は、ワルファリン中毒に対するビタミンKの解毒作用に必要な責任経路でもあった。従ってFSP1は、カノニカルなビタミンK回路におけるワルファリン抵抗性のビタミンK還元を担う酵素ということになる。さらに、FSP1に依存した非カノニカルなビタミンK回路は、有害な脂質過酸化とフェロトーシスから細胞を守る働きをする。

