Article
統計物理学:一次元ポラリトン凝縮体におけるKardar–Paris–Zhang普遍性
Nature 608, 7924 doi: 10.1038/s41586-022-05001-8
普遍的挙動を明らかにすることは、統計物理学の特質の1つである。結晶表面や細菌コロニー界面の確率論的成長、量子磁性体のスピン輸送などの現象は、微視的レベルで関与する物理機構が非常に多いにもかかわらず、全て同じ普遍性クラスに属している。より具体的には、これら全ての系では、時空間相関が、普遍的な臨界指数を特徴とするべき乗則のスケーリングを示す。この普遍性は、非線形の確率論的Kardar–Parisi–Zhang(KPZ)方程式に支配される、共通した根本的な有効ダイナミクスに由来する。最近の理論的研究によって、このダイナミクスは、巨視的な自発的コヒーレンスを示す平衡から外れた系の位相にも現れることが示唆されている。今回我々は、駆動散逸一次元ポラリトン凝縮体における位相の発展がKPZ普遍性クラスに収まることを実験的に実証する。我々の実証は、KPZ時空間スケーリング則の直接測定と、この普遍性クラスの他の重要な特徴を明らかにする理論解析の組み合わせに依拠している。今回の結果は、平衡から外れた凝縮体とそれに対応する平衡凝縮体の間の基本的な物理的差異を浮き彫りにするとともに、駆動開放量子系において普遍的挙動を探るパラダイムを開くものである。

