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分子生物学:CST複合体が調整するテロメアレプリコンの再構築

Nature 608, 7924 doi: 10.1038/s41586-022-04930-8

テロメアは線状染色体の自然な末端であり、反復配列を持つDNAと付随するタンパク質で構成される。ヒトの幹細胞の継続的な増殖やがん細胞の不死性が成り立つのは、テロメアが複製されることによっている。この複製には、テロメアG鎖((TTAGGG)n)の一本鎖DNA(ssDNA)のテロメラーゼによる伸長が必要である。一方、相補的なC鎖((CCCTAA)n)の合成については、G鎖に比べるとほとんど分かっていない。CST(CTC1–STN1–TEN1)タンパク質複合体は、DNAポリメラーゼα–プライマーゼの補助因子で、in vivoでのテロメア複製に必要であることが知られており、本論文で報告する分子解析により、その作用機構の重要な特徴が明らかになった。ヒトCSTは、自身のssDNA結合活性を使って、結合しているPolα–プライマーゼによるテロメアC鎖合成の開始起点を指定する。CSTが調整したDNA重合反応によって、折りたたまれてG四重鎖構造を作るテロメアDNAの鋳型がコピーできるが、この鋳型がもたらす難問がin vivoで観察されているテロメア複製問題に関わっている可能性が高い。テロメラーゼ、短いテロメアssDNAプライマー、CST–Polα–プライマーゼを組み合わせると、完全なテロメアDNAの複製が行えるようになり、その結果、ヒトテロメアで自然に見られるような3′末端に突出したssDNAと同様の構造が生じた。結論として、CST複合体はテロメラーゼによる伸長を終結させ、Polα–プライマーゼをテロメアssDNAへと動員するだけでなく、C鎖の合成を協調させる働きもすると考えられる。テロメアの複製はゲノムの他の部分の複製とは異なった性質を持つので、CSTを含め、テロメア複製に関わる成分を標的にすれば、がんの治療法になると期待できる。

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