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構造生物学:ショウジョウバエDicer-2–Loqs-PDによるdsRNAプロセシングについての構造学的知見

Nature 607, 7918 doi: 10.1038/s41586-022-04911-x

siRNA(small interfering RNA)は、多くの真核生物で保存されているRNAサイレンシング機構であるRNA干渉(RNAi)の重要な構成要素である。ショウジョウバエ(Drosophila)では、RNアーゼIII酵素であるDicer-2(Dcr-2)は、その補因子であるLoqs-PD(Loquacious-PD)に助けられて、長い二本鎖RNA(dsRNA)から21塩基対の二本鎖siRNAを生成するのに重要な役割を果たしている。Dcr-2のヘリカーゼドメインによるATP加水分解は、長いdsRNAをうまくプロセシングして二本鎖siRNAを連続的に形成していくのに必須である。今回我々は、Dcr-2–Loqs-PDについて、アポ状態および50塩基対のdsRNA基質のプロセシングを行っている複数の状態のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。一連の構造から、Dcr-2とLoqs-PD間の相互作用、また、dsRNAプロセシングサイクルの間のDcr-2の大きなコンホメーション変化が説明された。Dcr-2のN末端ヘリカーゼドメインとDUF283(domain of unknown function 283)ドメインが当初のdsRNA結合の後にコンホメーション変化を起こして、ATP結合ポケットと5′-リン酸結合ポケットが形成される。ATP存在下でdsRNAに沿って移動中のDcr-2–Loqs-PDの全体的なコンホメーションは比較的剛直だが、DUF283とRIIIDbドメイン間の相互作用はRNase活性中心へのdsRNAの接近を阻害することで移動中の非特異的な切断を防いでいる。活性のある切断状態を形成し、dsRNAを21塩基対の二本鎖siRNAへと正確に切断するには、さらなるATP依存性のコンホメーション変化が必要であり、これは切断後状態の構造により確認された。まとめるとこの研究は、Dcr-2–Loqs-PDによるATP依存性のdsRNAプロセシングの完全なサイクルの分子機構を明らかにしている。

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