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免疫学:妊娠によって細胞内感染に対する抗体防御が可能になる
Nature 606, 7915 doi: 10.1038/s41586-022-04816-9
適応免疫の構成因子は、抗体による細胞外環境の病原体の標的化と、T細胞による細胞内の感染の排除という、微生物に対する宿主防御において重複しない2つの役割を担っていると考えられている。母親から新生児へ垂直移行する免疫の抗体依存性は、細胞内感染に対する新生児の感受性を説明し得る。今回我々は、妊娠が誘導する抗体の翻訳後修飾が、典型的な細胞内病原体であるリステリア菌(Listeria monocytogenes)に対する防御を可能にすることを示す。妊娠前にプライミングされてリステリア菌特異的IgGを持つ母マウスから生まれた新生仔や、プライミングされた妊娠マウスの抗体を受動移入後の新生仔では、感染感受性が低下したが、プライミングされた未交尾雌マウスの抗体の受動移入では低下しなかった。母親のB細胞は、垂直移行される防御を仲介するIgGの産生に必須だったが、抗体の防御機能獲得には不要であり、この機能獲得は代わりに、IgG可変領域のN結合型グリカン末端のシアル酸残基を脱アセチル化するシアル酸アセチルエステラーゼを必要とした。脱アセチル化されたリステリア菌特異的IgGは、シアル酸受容体であるCD22を介して新生仔を防御し、これは、B細胞によるIL-10産生を抑制して抗体による防御を誘導した。母親と胎仔の対を、結び付いた1つの免疫学的単位として考えることで、細胞内感染に対する抗体の防御的な役割や、妊娠中や若齢期の宿主防御を強化する微調整された適応が明らかとなった。

