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分子生物学:コヒーシンを介したループアンカーはヒト複製起点の位置を限定する

Nature 606, 7915 doi: 10.1038/s41586-022-04803-0

DNA複製は複雑に調節された一連の分子事象を経て起こり、ゲノム安定性に極めて重要である。現在のところ、ヒトゲノムで複製起点の位置が決められる仕組みはまだ分かっていない。今回我々は、トポロジカルドメイン(TAD)とサブTADとループが、複製開始領域(IZ)の配置に果たす役割を詳しく調べた。TADとサブTADは、ループを示すコーナードット構造の存在とCTCFモチーフの方向によって分類した。その結果、効率が高く初期に複製が起こるIZは、それぞれ発散的、収束的の向きに並んだCTCFモチーフの高密度配列によって係留され、隣接しているコーナードットTADの間の境界域に位置することが分かった。対照的に、低効率のIZはコーナードットを欠く弱い境界に局在する。G1期にコヒーシンを介したループ突出を起こらなくすると、高効率のIZは拡散し、CTCFの向きが複雑な境界域に局在しなくなる。また、G1期にコヒーシン除去因子WAPLをノックダウンすると、長距離にわたるループが増え、同じ境界域でIZがより狭い範囲に局在するようになる。さらに、特定の境界域を標的として欠失させたり挿入したりすると、IZの消失や増加に一致して、局所的な複製タイミングのずれが引き起こされる。これらのデータは、遺伝的にコードされたTADとサブTADの境界域の一部でのコヒーシンを介したループの突出とその停止が、ヒトのS期における複製起点の位置決定に不可欠な決定要因であるというモデルを裏付けるものだ。

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