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心理学:医師の統一見解を伝えることでCOVID-19ワクチン接種が持続的に増加する

Nature 606, 7914 doi: 10.1038/s41586-022-04805-y

人々のワクチン接種に対するためらいは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめとする致命的な感染症の拡散封じ込めに対する根本的な難題である。ワクチン忌避を助長する可能性のある誤解を特定することや、それらを取り除くための効果的なコミュニケーション戦略を作成することは、世界的な公衆衛生上の優先事項である。ワクチン接種に関する信頼性の高いアドバイスを提供できるのは医師たちだが、広範な統一見解があっても、メディアの報道は、医師の間でワクチン論争が広がっているという不正確な印象を与える場合がある。今回我々は、COVID-19ワクチンに対する医師の見解について人々に誤解が広まっており、それらを修正すればワクチン接種が増加することを示す。チェコ共和国で9650人の医師を対象に調査を実施したところ、90%の医師がCOVID-19ワクチンを信頼していることが分かった。また、全国代表サンプル(n = 2101)の回答者の90%は医師の信頼を過小評価しており、医師の50%しかワクチンを信頼していないと考える人が最も多いことが分かった。さらに、医師の真の見解について無作為に提供された情報を、9か月にわたってワクチン接種状況を定期的に監視した長期的データ収集に統合した。このような処置は、思い込みを修正し、ワクチン接種の持続的な増加につながった。本論文で実証した方法は、大規模に個々の医師の見解を強力に引き出すことのできる専門的な医師会の関与が、健康に関わる行動に持続的に良い影響を与える安価でスケーラブルな介入法の作成にどのように役立ち得るかを示している。

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