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量子物理学:低バックアクション電気光学トランスデューサーによる超伝導キュービット読み出し
Nature 606, 7914 doi: 10.1038/s41586-022-04720-2
マイクロ波周波数の超伝導量子プロセッサー同士を、常温で光を通してエンタングルさせることによって、安全な通信や分散型量子情報処理の手段が可能になると思われる。しかし、電磁スペクトルにおけるこうした本質的に異なる領域間での量子信号の変換は、依然として未解決の目標であり、動作がミリケルビン温度に制約されている超伝導キュービットと電気光学トランスデューサーの接続は、光学光子が超伝導体に及ぼす悪影響のため、大きな課題となっている。さらに、多くの遠隔エンタングルメントプロトコルには、量子状態のアップコンバージョンの前後の両方で複数のキュービットゲートが必要なため、理想的なトランスデューサーがキュービットに与えるバックアクションは最小でなければならない。今回我々は、低バックアクションの電気光学機械トランスデューサーによる、超伝導トランズモンキュービットの読み出しを実証する。今回の研究で使ったトランスデューサーと回路量子電磁力学システムのモジュール性によって、キュービットの光学光子からの完全な分離が可能になり、トランスデューサーからキュービットへのバックアクションは、環境からの熱放射によるものより小さかった。トランスデューサーの帯域幅と、加わる雑音を適度に改善すれば、回路量子電磁力学で利用可能なツール一式を活用した、超伝導キュービットから光学領域への非古典信号の変換の実証が可能になる。

