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天文学:吸収で発見された紫外線で暗い原始銀河団の種族

Nature 606, 7914 doi: 10.1038/s41586-022-04681-6

原始銀河団は、局所宇宙で観測されている大質量の銀河団へと最終的に成長する銀河団で、通常、銀河の密度が超過した位置を特定することによって追跡される。遠方銀河の大規模な分光学的探査は現在行われているが、その感度は主に、銀河の質量ではなく銀河の星形成活動と塵の量に依存する。そのため、大質量の原始銀河団の銀河成分に依存しないトレーサーが必要である。本論文では、背景銀河の高密度な格子のスペクトル中にライマンα吸収を観測し、これを用いて、赤方偏移が2.2〜2.8の多数の原始銀河団候補の位置を、銀河間ガスを通して特定したことを報告する。我々は、最も大きな吸収が生じている構造は、その大半がこれまで知られていなかったもので、宇宙論的なシミュレーションにおける類似天体の暗黒物質含有量に比べて、銀河が驚くほど少ないことを見いだした。こうした構造のほとんど全ては原始銀河団であると予想され、それらに予測される銀河の半数は静止系の紫外波長で異常に暗いため、今回の探査結果から抜け落ちていると推測された。我々は、原始銀河団の環境がこうした銀河の進化に予想外に強い早期の影響を及ぼして、星形成を減少させたか、塵の含有量を増加させたことが、その原因だと考える。

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