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進化学:有性プラナリアにおける性染色体化の準備ができた常染色体の島特異的な進化
Nature 606, 7913 doi: 10.1038/s41586-022-04757-3
チュニジアおよび地中海の複数の島々に固有のプラナリアSchmidtea mediterraneaの有性系統は、雌雄同体である。今回我々は、個々の染色体を分離し、塩基配列の解読、Hi-C法、連鎖地図の作製を用いて染色体規模のゲノム参照配列を構築した。得られた連鎖地図によって、1番染色体の組換え率が極めて低いことが明らかになった。また、個々の精細胞および卵母細胞の遺伝子型判定を行うことで、1番染色体における組換えの抑制が確認された。我々は、長期にわたる近親交配を経てもヘテロ接合性を維持することが以前明らかにされたゲノム領域が、本質的に1番染色体のほぼ全体を占めることを示す。野生分離個体のゲノム塩基配列を解読したところ、この現象はサルデーニャ島およびコルシカ島の集団で特異的に進化したものであることが分かった。我々はさらに、生殖系の既知のマスター調節因子の大半が、1番染色体上に位置することを見いだした。発現にハプロタイプの偏りがある遺伝子をRNA干渉でノックダウンすると、より顕著な雌性交接器官の形成につながった。我々は、これらの観察結果に基づいて、1番染色体が、性染色体への進化に向けて準備の整った常染色体sex-primed autosomeであると提唱する。

