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物性物理学:軌道上微小重力環境における極低温原子バブルの観測

Nature 606, 7913 doi: 10.1038/s41586-022-04639-8

量子系の理解は、極低温原子集団の幾何学、トポロジー、次元性、相互作用の探究に後押しされ、飛躍的に進歩してきた。原子が楕円体表面に閉じ込められたまま発展する系は、これまで調べられたことのない幾何学やトポロジーを示す。ボース・アインシュタイン凝縮が生じる可能性がある極低温バブルの実現は、閉じた表面トポロジーに束縛された量子渦の流れ、集団モード、バブル膨張を通した自己干渉などの興味深い分野と関連している。小さな凝縮体を膨張させて生成された大きな極低温バブルは、ハッブル膨張によく似た膨張の物理に直接結び付いている。今回我々は、国際宇宙ステーションに搭載されたNASAの宇宙冷却原子実験室(CAL)設備による、高周波ドレッシングプロトコルを用いて生成された極低温原子バブルの観測結果を報告する。我々は、さまざまなサイズと初期温度のバブル構造を観測し、バブルの熱力学を調べることで、膨張に伴うかなりの冷却を実証した。そして、1 mmを超えるサイズのバブルトラップを、数マイクロメートルと推定される厚さの極低温原子の膜で部分的に覆い、自由発展する調和閉じ込めに射影された殻構造のダイナミクスを観測した。これらの観測結果は、宇宙空間において極低温原子を用いて行われた初の測定結果の一部であり、永続的な自由落下を用いて、地表では生成が極めて困難な量子系が調べられた。今回の成果は、ボース・アインシュタイン凝縮したバブル、その励起の特徴、その発展におけるトポロジーの役割に関する(軌道上微小重力環境における)将来の研究の到来を告げる。

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