Article

エレクトロニクス:Ni(111)上のエピタキシャル単結晶多層六方晶窒化ホウ素

Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04745-7

グラフェン、六方晶窒化ホウ素(hBN)、遷移金属ジカルコゲニドなどの二次元(2D)材料の大面積の単結晶単層の成長が行われてきた。hBNは、2D材料系電界効果トランジスター(FET)用の「理想的」な誘電体であると考えられており、ムーアの法則を延命させる可能性がある。2D半導体用の基板としては、単層よりも厚いhBNがさらに好ましいが、非常に均一な単結晶多層hBNの成長はまだ実証されていない。今回我々は、化学気相成長(CVD)法によるウエハースケールの単結晶3層hBNのエピタキシャル成長について報告する。この方法では、初期段階で単結晶Ni(111)上に均一配向したhBNアイランドが成長し、これらが最終的に合体して単結晶膜になることが見いだされた。断面透過型電子顕微鏡(TEM)観察の結果、BがNi中に溶解することによって単結晶hBN膜とNi基板の間に(冷却時に)Ni23B6中間層が形成されることが示された。hBNとNi23B6の間と、Ni23B6とNiの間には、エピタキシャルな関係がある。我々はまた、hBN膜が、触媒による水素生成時に損傷せず保護層として働くことも見いだした。これは、hBNが連続的な単結晶膜であることを示唆している。このhBNは、SiO2 (300 nm)/Siウエハー上に転写されると誘電体層として機能し、MoS2 FETのSiO2基板からの電子ドーピングを軽減させた。今回の結果は、大面積の高品質単結晶多層hBNの成長を実証しており、hBNを2D半導体用の普遍的基板にする新たな道を開くはずである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度