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社会科学:ヒトは単純化された心的表現を構築して計画を立てる
Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04743-9
ヒトの認知機能の最も顕著な特徴の1つは、計画を立てる能力である。ヒトの計画能力の2つの際立った側面は効率と柔軟性である。特に効率は、計画は複雑な環境で立てなければならないことが多いが、ヒトは認知資源が限られている中でも多くの日常的な問題に対してうまく解決策を計画できるという点で、非常に優れている。心理学、経済学、人工知能における標準的な説明では、ヒトによる計画が成功するのは、ヒトは課題に関して完全な表現を有しており、次に試行錯誤により、その表現の中で未来の行動を計画するからだと示唆されている。しかし、この方法は通常、課題の表現が固定されていることを前提としている。今回我々は、課題表現は制御可能であり、そのような制御により、課題が速やかに単純化されて、より容易に課題について推論する機会が得られると提唱する。また、我々はこの単純化過程の計算論的説明を提唱し、一連の事前登録した行動実験において、単純化過程はオンライン認知制御を受けており、ヒトは課題表現の複雑性と、計画や行動に対するその有用性のバランスを最適に保っていることを示す。これらの結果は、問題を戦略的に認識し想像することで、限られた認知資源の効果的な使用が促される仕組みを示している。

